★国民投票法。

国民投票法


この法律は「弱者は国民ではない」ということを
規定した法律としか思えません。
私は、憲法改正の投票については、
有権者は全国民であり、
投票に行けない人にはできる限り、在宅投票など方法を用意し、
どうしても意思を確認できない場合は「改正に反対」とし、
それでもなお、全国民の過半数が賛成といった場合にのみ、
改正できるとすべきだと考えます。

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★国民投票に参加できるのは18歳以上で、
投票に来た人の過半数で決めるということになっているが
(下記基礎知識参照)、本当にそれで良いのか。
私は反対です。私は全国民の過半数にすべきだと考えています。
すなわち、日本国民が1億2000万人なら、6千万人プラス1人が
「改正に賛成」と投票しなければならないと、考えています。

理由1.憲法には「国民」とあり、除外して良い国民はいないはずだから。
たとえ、生まれたての赤ん坊でも、「国民」です。
そして、お年寄りでも「国民」です。
病気で入院していて投票に行けない人も、
障害のために投票に行けない人も、
病気や障害により情報を得られず、判断ができない人も、「国民」です。
このような人の存在を無視するのは許されません。
国民投票法は、「元気で投票に来れた人の過半数」になっています。
弱い人を除外した投票での改正は許されません。
また、改正で戦争をして良い事になったら、今赤ん坊だからといって
関係ないではすまされません。
成年被後見人(下記関連知識参照)は投票権を有しない(4条)
というのは明らかな憲法違反だと考えます。。

理由2.憲法第96条には「各議院の総議員の」とあるから。
ここで注意して欲しいのは、
「出席議員の」ではないことです(下記基礎知識参照)。
すなわち、出席できなかった人は、「改正に反対」とせよ、ということです。
この文脈では、投票にいけなかった人や判断できない人は、
「改正に反対」とせよ、ということになるはずです。
こうしても本当に必要な改正なら、問題なく過半数が取れるはずです。
取れないとしたら、まだ議論が十分でないと考えるべきです。

理由3.そもそも「国民投票をできる人を法律で制限して良い」
とは憲法には書いていない。
すなわち、選挙などの投票について、
第44条では、「両議院の議員及びその選挙人の資格は、
法律でこれを定める」とあり、
第47条では、「選挙区、投票の方法その他両議院の
議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める」とし、
法律で決めて良いことになっているが、
国民投票に関しては法律に委任されていない。
つまり、憲法では、改正は重要なことであるから、
「法律によっても投票をできる人を制限してはならない」
としているのである。
法律に委任していないのは、全国民による投票であるから、
投票日時ぐらいしか決める必要はなく、
わざわざ法律を制定する必要がないからです。
憲法改正の投票をする権利は、国民の権利であって(憲法第11条)、
奪うことはできないと考えます。
成年被後見人(下記関連知識参照)は投票権を有しない(4条)
というのは明らかな憲法違反と考えます。

理由4.国民投票にいけなかった人に対して、
憲法改正を主張することができるためには、
「仮に投票にいけなかった人が、投票に行ったとしても、結論は同じだ」
といえないと言えないとならないはずだから。
「投票に行けていたら、結果は違った」となると、
投票に行けなかった人は納得できない。
もし、政府が憲法改正に反対の人々を「投票に行けない」状態にしたら、
だれも、憲法改正を止められない。
何も政府が反対派にテロを仕掛けるとは言わないが、
今の閣僚の所業を見ていると、今の日本政府は何をするか信用できない。

理由5.議員には任期があり、簡単に変えることができるし、
法律も議員が変われば、比較的簡単に変えられるが、
憲法はそうはいかないし、簡単に変えることは想定していない。
従って、今は赤ん坊でも関係ないとは絶対にいえない。
改正が重要なことであり、そうすべきことなら、
赤ん坊の票を反対に入れたとしても、
改正できるはずである。
投票に行く人が少なかったり、国民の関心が薄いのであれば、
改正自体すべきではない。

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従って、憲法改正の投票については、
有権者は全国民であり、
投票に行けない人にはできる限り、在宅投票など方法を用意し、
どうしても意思を確認できない場合は「改正に反対」とし、
それでもなお、全国民の過半数が賛成といった場合にのみ、
改正できるとすべきです。
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★基礎知識
正確には、「日本国憲法の改正手続に関する法律
(平成19年5月18日法律第51号)」といい、
日本国憲法の憲法改正に必要な手続きである国民投票に関して規
定する法律です。

憲法第96条1項〔憲法改正の手続〕
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、
国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。
この承認には、特別の国民投票又は
国会の定める選挙の際行はれる投票において、
その過半数の賛成を必要とする。

★関連知識
憲法第11条〔基本的人権の享有と本質〕 
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利として、
現在及び将来の国民に与へられる。
第44条〔議員および選挙人の資格〕 前段
両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める
第47条〔選挙に関する事項の法定〕 
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、
法律でこれを定める。

★政府は、憲法改正について、具体的な手続については
憲法上規定されておらず、改正を実現するためには、
法律により国民投票等に関する規定を定める必要があると考えている。

★対象・投票権者
国民投票の対象は憲法改正のみに限定(1条)。
投票権者は18歳以上の日本国民(3条)。
ただし、18歳以上の者が国政選挙で投票できるように
公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢(20歳以上)などの
規定について検討し必要な法制上の措置を講じて、
18歳以上の者が国政選挙で投票することができるように
改正するまでは、国民投票の投票権者も20歳以上とする
ことを附則3条で規定。
成年被後見人は投票権を有しない(4条)。
在外邦人にも投票権はあり(62条)、
いわゆる公民権停止を受けた者も投票権者から除外されていない。

★日本弁護士連合会の
「憲法改正国民投票法案に関する意見書」によると、
《「法案骨子」には、重要な問題点が多々含まれている。
当連合会は、今この時期に憲法改正国民投票法を制定することの
是非について、国民がしっかりと議論をなしうる場が
設けられることを強く求めるものである。
そして、同法案を制定することとなった場合においては、
法案の国会提出に先立ち、本意見書に摘示した問題点について、
国民が議論を尽くすのに必
要な情報が提供され、十分な期間が確保されることが
重要であると考える。》となっている。

★成年被後見人
未成年ではないが、病気やいわゆる痴呆症などで、
自分の財産を的確に保持できない人に、後見人をつけて、
後見人の同意がないと大規模な財産の処分をできないように
する制度。
いわゆる詐欺や悪徳商法にかからないように、
主にお年寄りなどを保護する制度。
財産上の計算が苦手になったからといって、
または、その人がだまされやすいからといって、
国民投票の権利を奪うのは許されないとの
反対が多かった。

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